コラム 同居人の数と質
住居の引っ越しと同じように、レンタルサーバを利用する際も同居するユーザーのリスクを考えなくてはいけません。
レンタルサーバは一台のサーバに何百というユーザーが登録されています。また更にその一人一人のユーザーがたくさんのサイトを持つことができます。つまり一つのサーバにサイトは何百、何千と設置されていることになります。
サーバの同居人の中にもし悪い人がいたら?
一つのサーバーに一人や二人は悪い人もいるかもしれません。サーバーに理不尽な負荷をかけたり、外部への攻撃に利用したり。あるいは単に大人気のサイトがある場合もそのサーバーに大きな負担となりえます。
一応レンタルサーバ側も、それを見越して十分な体制を取っていると思いますが、その影響は案外大きいものになります。
サイトの表示が同居人のせいで遅くなる
一部のユーザーの利用方法によっては、他のサイトの表示が遅くなる場合があります。レンタルサーバ会社がそれに気づくと通信制限や利用停止などの対応がされるようです。
もし自分のサイトの表示が極端に遅い場合は、すぐにレンタルサーバ会社に問い合わせ、状況を確認してもらいましょう。ほとんどの会社はすぐに返信してくれると思います。
送ったはずのメールが相手に届かない
サーバ内の一ユーザーから大量に迷惑メールが配信されていると、そのサーバ全体がブラックリストに入ることがあります。その結果「このサーバから届くメールは危険だ。受信はやめよう」と判断されるようになります。すると同じサーバーを利用している自分のメール送信も危険視され届かなくなってしまいます。
それって自分が悪くないのに、急にメールが相手に届かなくなるってこと? それはイヤだね。
そう。仕事のメールなんかではかなり深刻。だからサーバーはいつでも引越しできるように、ウェブサーバとメールサーバは分けておくといいよ。
同居人リスクを減らす方法
同じサーバーの上位プランにする
上位プランにすると一般的には同居人の数が減ります。また少し希望的観測ですが、コストも大きくなるので、利用者が限られ、良くない人の数も減るということが予想できます。
根本的な解決として一台を占有するサーバにする
通常のレンタルサーバーは一台のコンピューターの中でたくさんのユーザーを抱えています。そのためレンタルサーバは「共有サーバ」などとも呼ばれます。
これに対して1台のコンピューターを一人のユーザーが独占することもあります。これを「専用サーバ」といいます。専用サーバの場合は当然自分だけのサーバーのため、邪魔な人はいません。
デメリットとしてはサーバーのハードとソフトの管理が大変で、かかるコストも大きいという点。
ただ自ら管理しなくても、レンタルサーバ会社が管理を行ってくれる「マネージド専用サーバ」というものもあります。
共有サーバーでは全く運用できないという場合はこうした専用サーバーが選択肢になります。
でも正直なところ、共有サーバも今は十分に優秀だから、初めての人に専用サーバが必要なケースってかなり稀だと思うよ。
リソースが確保されたサーバを利用する
ユーザーごとにCPUやメモリが確保されたレンタルサーバー(共有サーバー)があります。これを利用することで、同居人による速度の問題が起こりにくくなります。
エックスサーバー や シン・レンタルサーバー もサーバーそのものやネットワーク環境が大幅に強化され、リソース(CPUなど)が保証されるようになりました。是非こうしたサーバーを選ぶようにしましょう。
ただ上に書いた「送信メールの問題」なんかはどうしても解決しないから、やっぱり引っ越しはいつでもできるようにしておくといいかもね。
同居人の数と質のまとめ
- 問題のある同居人がいることはある程度覚悟する
- 同居人のせいで送信メールが届かなくなることがある
- 常にサーバーを引越しできるように、できればウェブサーバーとメールサーバーを分けておく
- リソース保証されているサーバがおすすめ